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「パパは、たった一人の愛娘のためを思って…!」
「そう思うなら放っといて!余計なお世話!」
なんで?
パパが帰ってくるまではあんなに平和だったのに。
「私は、父親のそうゆう考えが嫌なの!娘のため?そんなの父親のエゴだよ!」
もう嫌だ。
全てうまくいかない。
感情が高まって流れてきた涙を拭いもせずに、乱れた呼吸を整えるために軽い深呼吸をする。
「…お取り込み中わるいけど、お客さんが来たわ。2人共、一階に来て」
ママの声に頭の中が冷静になっていき、興奮が冷める。
涙を乱暴に拭い、パパを睨んでからママと一階に降りる。
私たちの後ろに続いて一階に降りるパパに、私は独り言のように呟く。
「私は、パパの言うこと全てに従うような人間じゃない…」
その言葉は、きっとパパにもママにも聞こえていたはず。
だけど、何も言わずにただ黙っている。
どうして久しぶりに再会した父親と喧嘩してるんだろ…。
ため息を吐きながらリビングに入ると、泰ちゃんと先生がソファーに座っている。
「…こんばんは、先生」
さっきまでのイライラなんて忘れるくらい、先生に会えて嬉しい気持ちになる。
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