恋路の行方

18/38
前へ
/423ページ
次へ
「パパは、たった一人の愛娘のためを思って…!」 「そう思うなら放っといて!余計なお世話!」 なんで? パパが帰ってくるまではあんなに平和だったのに。 「私は、父親のそうゆう考えが嫌なの!娘のため?そんなの父親のエゴだよ!」 もう嫌だ。 全てうまくいかない。 感情が高まって流れてきた涙を拭いもせずに、乱れた呼吸を整えるために軽い深呼吸をする。 「…お取り込み中わるいけど、お客さんが来たわ。2人共、一階に来て」 ママの声に頭の中が冷静になっていき、興奮が冷める。 涙を乱暴に拭い、パパを睨んでからママと一階に降りる。 私たちの後ろに続いて一階に降りるパパに、私は独り言のように呟く。 「私は、パパの言うこと全てに従うような人間じゃない…」 その言葉は、きっとパパにもママにも聞こえていたはず。 だけど、何も言わずにただ黙っている。 どうして久しぶりに再会した父親と喧嘩してるんだろ…。 ため息を吐きながらリビングに入ると、泰ちゃんと先生がソファーに座っている。 「…こんばんは、先生」 さっきまでのイライラなんて忘れるくらい、先生に会えて嬉しい気持ちになる。
/423ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2526人が本棚に入れています
本棚に追加