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私は席に座りながら大和に話し掛ける。
「大和は何点?」
少しニヤニヤしながら尋ねると、大和は、「あ~…」と気まずそうに頭を掻く。
「あ、もしかして……0点!?」
「ちげぇよ、バカ!」
「は?バカは大和でしょ?」
口喧嘩を始める私たちを、水城先生はキッと睨み付けてくる。
「そこのバカ2人、うっせぇぞ」
私は大和よりはバカじゃない!
大和からプイッと顔を逸らして窓から見える校門に目を向ける。
すると、校門には私のママがいた。
「はぁ!?」
私が叫びながら立つと、みんなが一斉に私を見た。
「何やってんだ、瀬戸」
先生は半ば呆れたように私を見つめる。
「せ、先生…!なぜか校門にママが…っ」
「お前……高校生にもなってママなんて呼んでるのか…」
って……そんなの今は関係ないでしょ!?
頭がパニック状態の私を、クラスのみんなはクスクスと笑う。
「とにかく、行ってきます!」
私の席は1番後ろの窓側なため、後ろのドアから飛び出した。
「あっ、コラ!待て、瀬戸!」
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