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「…菜月さん?」
私を追って走ってきたのか、息を切らせた先生がママを見て目を見開いた。
「湊!」
え……?
ママは私の横を走り抜けて、水城先生に抱きついた。
私の頭の中は真っ黒に染まる。
どうして…?
どうして先生とママが……
「菜月さん、どうして…?」
「あら?言ってなかったかしら?椎蘭は私の娘よ♪」
水城先生の首に巻き付きながら、ママは可愛く笑った。
「ああ……どうりで苗字が同じなわけだ…。よく見たら顔も微妙に似てますね」
私とママの顔を見比べながら、先生はママの頭を撫でた。
「そうかしら?この子の顔、父親似よ?」
いや…
いやだ…
もしかして……
ママの彼氏は……
「椎ちゃん、紹介するわ。彼は今お付き合いしてる、水城湊」
「担任なんですから、紹介なんて必要ないですよ」
いつもの先生じゃない…
こんな優しい顔、見たことない…。
泣き出しそうになった瞬間、誰かが私の首に腕を回してきた。
「菜月さんじゃないッスか!久しぶりッスね」
大和…
助かった…ありがとう
心の中で大和にお礼を言った。
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