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大和は私が泣き止むまでそばに居てくれた。
大和の隣はなんだか心地よくて、気付いたら私は、大和の肩に頭を預けて眠りについていたようだ。
起きた頃には放課後で、慌てて大和に謝ると、彼は頭をクシャクシャと撫でてきて、“気にすんな”と言いながら空き教室を出ていく。
「あっ…泰ちゃんのこと忘れてた!」
泰ちゃんとは仲が良くて、毎日一緒に帰っている。
携帯を開くと、ディスプレイには着信2件、メール件数5件の文字。
急いで泰ちゃんに電話を掛け直す。
『もしもし?』
泰ちゃんの優しげな声に、ホッとしながら謝罪をする。
「ごめんね、泰ちゃん…。今どこにいるの?」
『校門の前にいるよ。あ…もしかして先に帰っちゃった?』
「あ…ううん!まだ学校にいるよ!今から行くから待っててね?」
電話を切り、鞄を教室に置いてきたのを思い出して教室へ向かう。
廊下をパタパタと走り、教室へ着くと、人影が見えて立ちすくむ。
お、お化け…?
つい後退りすると、なぜか後ろにあったバケツにぶつかり、鈍い音を立てた。
「あっ…」
慌てて教室を見ると、人影がこっちに向かってきた。
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