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教室のドアが、ガラッと開いた瞬間、思わず目を瞑って叫んだ。
「いやぁぁぁぁあ!!!」
「うわっ…!」
低い声が聞こえて更に驚き、腰が抜けてその場にへたり込んだ。
「いやっ…!来ないで!お化けは嫌ぁぁぁ!!」
「お化けって…失礼だな」
「いやぁぁ!…って、え?」
お化けが喋った…
そう思って顔をあげると、そこにはお化けではなく、クラスの男子がいた。
「あ……鳴海くんか…」
心底安心して、ホッと胸を撫で下ろす。
すると彼………鳴海梓(ナルミ アズサ)くんは私の目線に合わせてしゃがんだ。
真っ黒の瞳に真っ黒の髪。
きっちり着こなされた制服は、私から見たらなんだか息苦しそう。
クールで硬派。
学級委員で学年首席。
生徒会にまで入っている。
そんな彼は、見かけによらずバスケ部に所属しているらしい。
先生みたいにドSで顔がいいからモテるのではなく、かといって大和みたいにヤンチャなかわいい系だからモテるわけでもない。
“クールでかっこいい!”
と言う同い年の女子や、
“先輩はすごく頼りになる!”
そうゆう後輩女子にモテる。
顔も整っていて、白くてツヤツヤの肌が羨ましいくらいだ。
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