1 死にませんから

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連れてこられたのは高そうな下着屋。下着なんて誰かに見せるわけでもないのにグレンさんは "待ってるからな" と出て行ってしまった。その後は日用品の買い物を済ませてからやっぱり高級そうな店でディナーを済ませた。 「あの、物価高騰の世の中で無理しなくても、」 「子供は甘えてればいいんだよ」 「私、子供じゃ、」 「そういう強情なとこ とか背伸びしてるとこが子供なんだよ」 クシャリと頭を撫でられてなんだか照れくさい。 「グレンさんだって強情じゃないですか!」 「ははっ、ちがいねえな。お互いガキってことだ」 心配すんな。俺、こう見えて金持ちなんだ。と笑う グレンさんになんだか安心した。 「うちは基本的に日曜以外は休業日なんだよ」 「なんでですか?」 「あとは戦場で仕事してるからな、俺」 「兵隊さんって事ですか?」 「ああ、日曜の朝に問屋が来て、昼から開店、夜に休業だ。長期戦なら長期休みだが、基本的にはこんなだな」 なんで店をやってけるんだ。 「ま、武器コレクションのついでに かぶっていらない武器を売る店だからな」 「………、」 「実質上は兵士としての給料でやってるけどな」 「そうですか」 「お嬢ちゃんは休業日にに泥棒が入んないように気を付けつつ武器の手入れをしていてくれ」 「はい」
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