1 死にませんから

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それから部屋に案内されて、お風呂に入って寝た。のに私は知らない場所に立っていた。 「雲、の上?」 ふかふかの地面を裸足で歩いて行くと、神殿みたいなのがあった。そうか、今までのは夢だったんだ。ついにお迎えが来た。そう思って神殿の扉を開けたら中では一組の男女が険悪な雰囲気で立っていた。 「あなたねえ、」 「僕は説教される覚えありませんよ?八つ当たりは止めてくれませんか?」 「あら?どっちが、」 「あの、」 「「誰?」」 「わかりませんけど、シンリって事にしておいて下さい」 「あら、奇遇ね。私も名前がわからないの。シャルエットって呼んでちょうだい」 「シャルエットさん」 銀髪黒目のセクシーなお姉さんが自己紹介をする。なんだ、この世界が嫉妬する髪は…。実に羨ましい限りである。 「僕はドイセルって呼んでください」 「ドイセルさん」 続いて茶髪のお兄さんが挨拶をする。茶髪で眼鏡敬語って素敵だよね。 「で、よくわからないけど、私たちは何かにここに集められたようね」 「何かに?」 「ええ」 「シャルエット、また あなたは非現実的な話を…」 「夢の中にいるのに現実もなにも無いじゃないの」 「えっと……」 「あの、」 「「誰?」」 「どちらさまですか?」 「あなた達をここに呼んだの、僕らなんです」 気が弱そうな金髪の少年は下を向いて そう言った。 「どういうことですか?」 「詳しい話は長老様から」
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