1 死にませんから

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「やあ、俺が長老だよ」 長老と言われて出てきたのは茶髪の少年だった。髭とか生えてて、しわくちゃで禿げてて杖を持ってるのを想像していたので予想外だ。 「君達を呼んだのは他でもない。神様候補だからだ」 「神…、」 「様…、」 「候補?」 ポカンと口を開けて次の言葉を待つ。 「実は最近、神様が一人 魔物に成り下がってね。世界の均衡を保つのが難しくなってきた。それで、その日に死んだ人の中から君たちを平等の精神とくじ引きによって選出した。そして、これから神様としての器に相応しいものを決める。三人には力と武器と象徴を与えた。武器に関しては手持ちにあるものから自分で考えろ。 心の神様候補、シンリには魔導力。そして三匹の犬にそれぞれ感情と理性と力。 光と闇の神様候補、シャルエットには身体能力と二匹の猫にそれぞれ知性と野性。 時の神様候補、ドイセルには器用さと一二匹の小鳥にそれぞれ植物と動物。 三人を同じ世界に送り、期限は百年以内。決定の基準は平等さだ。注意しなければならない点は一つ。平等さを失ったときに神様候補の権利はなくなる。そうすると君たちに残されるものは俺たちに与えられた力と永遠だ。」 「ちょっと、待ちなさいよ。私たちの世界じゃあ、戦争が起きてるわ。平等なんて」 「君たちは君たちの平等を考えろ。戦争に参加をするのも、しないのも、自由だ。とにかく君たちは死ねない。じゃあ、幸運を祈るよ」 言うだけ言って長老は消えた。 死ねないの本意はわからないが、私が戦争に参加することはないだろう。武器屋さんでグレンさんの手伝いするのがベストだ。
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