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目の前には大量の本。楽しいからいいけどさ。
「明後日までなんて、おわらないよ」
死にぞこない発覚から数日。愚痴をこぼしながらも本を読み進めてます。グレンさんはご丁寧にもノートとペンまで置いていって、実験なら事故が起きても困らない医者がいる、ここで と演習場への案内状を教え、さらに近場にいた魔導師(戦友らしい)に「制御できるように色々 教えてやってくれ」と声を掛け行ってしまった。
それから毎日 参考書とノートと睨めっこして、グレンさんの戦友 マフィンさんに手ほどきを受け、魔導具を借りて実践したりしている。なるほど、魔導というのは実に便利だ。しかし、強い力になれば戦争に利用されてしまう恐ろしい力なのかもしれない。グレンさんが帰ってからは家事分担をして、店の手伝いをしながら勉強している。
そんなある日だった。ミュージックプレイヤーを久々に起動してみたら知らないデータが入っていた。電池残量が減らないだけでも妙だったが、そのデータを起動してみた。ミュージックプレイヤーからは曲の代わりに音声が流れた。
「いやあ、開いてくれて良かったよ。これは君の武器プログラムだよ。とりあえずは演習してみよう」
面倒事が増えたのでしまいたかったが、この先で役に立つかもしれない。私はさっそくグレンさんに魔導具の調子を試すと伝えて一緒に演習場へ向かった。
「魔導具ってのは、それか?」
「みたいです」
「みたいって、危なかったらどーすんのよ?」
「大丈夫です、たぶん」
「たぶんかよ」
「でも、ケーラーたちの訓練も強化したいし力は使い方を間違えなければ応えてくれるって、マフィンさんマフィンさんが言いましたよね」
「そりゃー、そーだけどね」
「よし、やってみろ」
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