2 平等の定義

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巨大な城の内部の巨大な部屋の中に私はいる。 「連れてきたな。B地区の26通り13番地に葡萄畑を作ることを許可する」 「有り難き幸せです」 格好いいシーンなのに言ってることが…。 「それで、シンリだな」 「はい」 豪快そうな風貌に赤い髪に獅子のような鋭い眼差し。ああ、ここは0の時代なのか。 「よし、お前はとりあえず、俺様のために働け」 ああ、やっぱり。そんなことだろうと思っていた。 「強い力を感じてネクロス領内の北方へアルケインを派遣した。そのときの話を聞いたが、お前は俺様のため破壊しろ」 さも当然のように宣言されても私にその気はない。 「あの、」 「なんだ、給料なら弾むぞ」 不思議そうな顔をしてこちらを見てくる国王、カイゼル陛下。しかし、論点がずれている。 「陛下、私は素人です。人を殺すなんてできません」 「それなら問題はない。兵士は初め皆そうだ。しかし、そのうち慣れる!」 断言されても慣れたくないよ。そんなの。 「生意気を申し上げるのを承知で言いますが、無理です」 「そう言ってきた兵士も皆 今は国のために戦っている。それ以外に稼ぎ手でもあるのか?」 正直に言ってしまえば武器屋で働きたい。だけど、あれでは私は稼げないし。そんなことを言って店を潰されたらたまらない。 「わかりました。お願いします」 「だろうな。お前がネクロスで兵士になることは預言されていたも同然だ」 カイゼル陛下は満足げに笑った。
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