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午前十時、ノックの音で目が覚めた。
「おはようございます」
眠たい目を擦ってドアを開けて挨拶をする。
「お前、せめて寝癖は直せよ」
それでも女かとボヤいた彼に目を見開いた。
「グレンさんっ!?」
「よお、眠たそうだな」
「まあ。それよりもどうしたんですか?怪我は?」
「怪我はたいしたことねーよ。アルケイン様から手荒なことをしたって謝られたけど俺は俺で兵士の身をわきまえていなかったからな。それから、配属受理届けを持ってきたんだ」
ほれ、と手に持っている封筒を差し出す。
「そうですか、朝からお疲れ様です。兵隊って、グレンさんはメッセンジャーだったんですか?」
「いや、直属兵が受理届けを持ってくるのは我が軍の習わしだな。だけど、なんでアルケイン様の軍に入ろうと思ったんだ?昨日は怖がってただろ」
へえ、私の軍ってアルケイン将軍の軍なんだ。ゲーム通り。じゃあ、ワインの献上は控えようかな。名前を覚えられたらたまらない。あ、でもカイゼル陛下に目を付けられた時点で他の将軍の様子を察するに、目を付けられたかも。面倒くさい。しかも、直属兵の家に居候してた時点でいろいろと終わった感じがする。面倒くさいから諦めよう。
「あれは、クリスティー様があみだくじで…」
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