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「あみだくじだぁ!?」
素っ頓狂な声をあげて グレンさんは私を見た。
「お前、そんないい加減な…」
「決まらないなら自分が決めてあげると仰いまして、気がついたら配属届けが持ち去られてました」
まあ、決まらなかった事が決まって助かったが。
「あの方らしいな…」
でも、アルケイン将軍か、ゲームでも上官だったけどさ、ワイン献上のテンションは見たいな。
「とりあえず、行くか」
「どこへ?」
「挨拶に行くんだよ。ついでに案内するから執務室の場所を覚えておけ」
「ちょっと待って下さい。準備します」
「…今更かよ」
「歯磨きしたいです」
「わかったよ」
グレンさんは諦めたように頷いた。男女同じ部屋だけど一応ベッドの周りにカーテンはあるし、着替えに不便は無い。風呂も時間を決めたりプレートを貼ったりすれば問題ない。歯を磨いてワンピースを着て浮遊時の覗き見防止にズボンを履き、ホイッスルを首に下げ愛犬たちに行ってくると挨拶して、ローブを羽織って部屋を出た。魔じょっ子帽子は勘弁して欲しかった。しかも、ローブも帽子も私が小さすぎてサイズが合わないからブカブカ。
「寝癖、」
「グレンさん、これは寝癖ではなくて癖毛です」
「そうか、じゃあ行くぞ」
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