1 死にませんから

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寝ていたのだが、途中で柄の悪い人達に絡まれてしまった。別にいいのだが、眠たい。 「こいつ、珍しい服着てんぞ」 ジャージが珍しいらしい。たしかに中世ヨーロッパみたいな町に私の服装はういていた。明らかに目立っている。 「お金ならありませんよ、路地裏生活始めてますから」 「金が無くても、こんだけ珍しい服着てて元気で若くて顔も中の上なら高く売れるんじゃね?」 「ナイスアイデア、とりあえずは一回相手してもらってえ」 「バラして内臓売ったらどうよ?」 実に残念である。見た目は悪くないのに頭が悪そうってか、残念である。というか ここに銃刀法は無いのか。ああ、ないよな。だって、中世ヨーロッパみたいだし。 「下品な話はやめて下さい、」 下ネタは好きだけどね。つか、周りの人見てないでヘルプミー。 「お前に拒否権ねえよ」 うわっ、イケメン。状況がこれじゃなきゃあ 萌えてたよ。 ケーラーは巨大化から縮小しているが飛びかからんばかりの勢いでこちらを見てる。しかし何せ主人の首に剣があるので動くに動けないらしい。他に二匹も臨戦態勢だが動けない。 こんなだったら、路地裏で寝るんじゃなかった。お金がないとはいえ、せめて田舎に泊まろうみたく どこかへ泊めてもらえば良かった。と後悔すれども時すでに遅し。こうなったら、舌でも切って、でも痛いよね。私が死んだらケーラー達はどうなるんだろうか?それだけが心残りだ。 それと、なんか面倒くさい。痛いのはいやだ。でもな、どうせ死ぬか売られるかだし。あれ、でも死後の世界でしょ、ここ。て、ことは私死んでる?舌切っても効果なし? ここは地獄だったのか。 どうりで。妙になっとくしたが、なんか私悪いことしたっけ?してないかも。あぁ、でも人間は知らぬ間に罪を犯しているものなんだよね。ま、いっか。 とりあえず、痛いのはいやだ。
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