第十二章 新隊名「新撰組」

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土方の目に自信が戻るのを見て、芹沢は薄く笑みを溢した。 そうだ。 この先、新撰組を待っていることの中には、今以上に絶望する事態も必ずあるはずだ。 そんなとき、てめぇに弱気になられちゃ困るんだよ。 新撰組の為にも、娘のためにも、な。 「芹沢さん……」 自信を取り戻した土方がゆっくりと芹沢に刀を向ける。 「俺はあんたを越える」 芹沢は満足気な笑みを浮かべ、 「掛かってこい」 と答えた。 芹沢は未だに圧倒的な気迫を纏っていたが、土方・沖田ペアも負けず劣らずの気迫を纏っていた。 この短時間でこの二人、化けやがったな。 つくづく面白ぇ連中だぜ。 だが、俺はもう一人化けさせなきゃならねぇ奴がいる。 あいつが来るまで、俺は死ねねぇんだ! 心の中で叫びながら動いた芹沢だったが、ここで予想外の邪魔が入った。 殺し合いが始まる直前まで、芹沢が持っていた徳利である。 布団の上に転がっていたそれに芹沢が乗り上げたのだ。 しまった!? 同時に、好機とばかりに土方が斬りかかる。 しかし、それは芹沢の身体にぶつかることはなかった。 なぜなら、飛来したクナイを防ぐために使ったからだ。 「誰だっ!」 土方が叫ぶと同時に雷が鳴り、クナイを投げた人物を照らした。 「風魔っ!? それに――」 そしてもう一人、小柄な探偵の姿もあった。 .
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