第十二章 新隊名「新撰組」

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時は少し遡る。 斎藤と二人で飲んでいた直斗は室内の異変に気付いた。 いつもなら笑いの中心にいる原田がいないのだ。 不審に思った直斗は辺りを見回す。 すると原田だけではなく、山南や沖田、土方までもがいないのだ。 そして同時に直斗は思い出した。 今日は十六日じゃないか! 文久三年九月十六日、つまり芹沢さんが暗殺される日だよ。 頭の中でその事実を確認して、情報を整理した。 土方さんは僕を新見さんの切腹にまでは暗殺グループに入れていた。 しかし、今回は外した。 となると、今隣で飲んでる斎藤さんは監視役になるよね。 直斗は斎藤と横目に見る。 その姿は普段通り飲んでいるように見える。 しかし、心なしか直斗を警戒している感じもうけた。 僕は新見さんと約束した。 僕が芹沢さんを斬らなきゃならないんだ。 直斗は意を決して立ち上がる。 「どうした?」 予想通り、斎藤は直斗の行動の理由をたずねてきた。 「厠です」 直斗は一言だけ言うと部屋を出る。 .
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