君に会って

4/6
前へ
/21ページ
次へ
私は雄くんに腕を掴まれたまま必死に走る。 はぁ… はぁ… 息が途切れる。 雄くんの顔も見られない。 もうだめ… そう思った時、私達は青空の下にいた。 「何でこんなことするの?」 私は腕を振り払った。 「…」 何も言ってくれない。 雄くんは後ろに立っている。 屋上には私達の他に誰もいない。 辺りは静まりかえっていて、息の音だけがする。 「ごめん。」 「ごめんって…。どうして・・。」 「僕、りなちゃんのことがスキ。」 えっ、 後ろを向いたら目が合ってしまった。 「この学校に来てから、りなちゃんに会えてよかった。こんなに可愛くてピュアな子がいるんだなーって。初めて話したときから思ってた。」 雄くんは優しい目をしているから、包まれるような不思議な気持ちになる。 「でも…、りなは…、雄くんのこと何も知らないし、何をしていいのか分からないよ…」 「大丈夫だよ。りなちゃんは優しいね。僕は、これからずっと一緒にいられるだけでいい。僕の隣にいてほしいから!」 「分からない…。スキってどういうこと…?」 経験のない私は、全く理解ができずに頭に?が浮かぶ。 「絶対に、りなちゃんに分かってもらえるように、一緒にいて楽しいって思ってもらえるように頑張る。だから……付きあってください!」 こんなに真剣なところ、今までに見たことない。 私もそれに答えないといけないのかな。 「ありがとう。まだ何をしていいのか全く分からないけど雄くんを信じてみるね。」 2人は笑顔になった。
/21ページ

最初のコメントを投稿しよう!

16人が本棚に入れています
本棚に追加