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私は雄くんに腕を掴まれたまま必死に走る。
はぁ…
はぁ…
息が途切れる。
雄くんの顔も見られない。
もうだめ…
そう思った時、私達は青空の下にいた。
「何でこんなことするの?」
私は腕を振り払った。
「…」
何も言ってくれない。
雄くんは後ろに立っている。
屋上には私達の他に誰もいない。
辺りは静まりかえっていて、息の音だけがする。
「ごめん。」
「ごめんって…。どうして・・。」
「僕、りなちゃんのことがスキ。」
えっ、
後ろを向いたら目が合ってしまった。
「この学校に来てから、りなちゃんに会えてよかった。こんなに可愛くてピュアな子がいるんだなーって。初めて話したときから思ってた。」
雄くんは優しい目をしているから、包まれるような不思議な気持ちになる。
「でも…、りなは…、雄くんのこと何も知らないし、何をしていいのか分からないよ…」
「大丈夫だよ。りなちゃんは優しいね。僕は、これからずっと一緒にいられるだけでいい。僕の隣にいてほしいから!」
「分からない…。スキってどういうこと…?」
経験のない私は、全く理解ができずに頭に?が浮かぶ。
「絶対に、りなちゃんに分かってもらえるように、一緒にいて楽しいって思ってもらえるように頑張る。だから……付きあってください!」
こんなに真剣なところ、今までに見たことない。
私もそれに答えないといけないのかな。
「ありがとう。まだ何をしていいのか全く分からないけど雄くんを信じてみるね。」
2人は笑顔になった。
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