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「なぁ、祐也。祐也は彼女つくんねぇのか?」
朔夜が訊いてくる。そんな朔夜に俺はにっこりと笑って言葉を返してやる
「俺に出来るわけないだろ、この馬鹿が。言葉に気を付けろ、この馬鹿が」
「なんで急にキレてんだよ!?てか、語尾が『この馬鹿が』になってんぞ!?」
「俺が怒っている理由をお前が理解することは一生ない」
朔夜がそばにいる限り、俺に女子から好意が寄せられることはないだろう
「そ、そうか……」
朔夜が少し怯えた顔をしている。どうしたのだろう、俺はこんなにも笑っているのに。可笑しな奴だな
そんなこんなで雑談していると、不意に
「あっ………!」
等と言う声を上げ、朔夜が俺の視界から消えた
転んだのか?間抜けな奴め
そう言ってからかってやろうと思い、転んでいると思われる朔夜を見下ろす
…あれぇ?
そこには、黒い穴の淵に手を掛けて必死な顔で俺を見上げている朔夜がいた
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