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「ぇ、あぁ、」 嗚呼、まるで罪悪感にも安堵感にも似た声。 **はあたしの上からどいてソファーに座りタバコを手に取る。 そうして無言でタバコを吸う。 まるでじゃない、まさにヤる気満々だった彼氏を突き放してしまった彼女だ。 そしてこの気まずい空気。 「ごめん」 あたしはもう一度そういって起き上がる。 「おう」 **はまるでなんでもないふうに返事をした。 「処女くれんだろ」 返事をしないあたしに**はそういった。 「え、あ、うん」 ようやく金縛りが解けたように普通にしゃべることが出来た。 「あっそ」 まるで噛み合わない台詞。 そっちか聞いてきたくせにそんな返事。 あたしはため息をついた
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