107人が本棚に入れています
本棚に追加
「慰めて」
諦めてAVをみていたら**がそう言った。
慰める、つまりフェラをしろってことだ。
「嫌だよめんどくさい」
多分、というか**は始めからフェラをさせるつもりで側にいさせたんだろう。
全く、なんていう扱いだ。
あたしがそういうと**はチッと舌打ちして立ち上がった。そのまま冷蔵庫へ行き缶ビールを持ってきた。
もちろんあたしの分はない。
まぁ、未成年だからいいけど。
もう終わりにちかいAVを見ながら**は缶ビールを飲む。
「そういえばお前ってヤッたことねーの」
いきなり何をきくのかと思った。
今更、一ヶ月一緒に住んで何を聞くんだと。
「ないよ」
まぁ、でも、嘘をついてもいみがないからあたしは正直に言った。
「レアな処女か」
レア...という響になにが感じた。優越感とかとは全く別物のなにか。
レアってなんだよ、レアって。
「レアじゃないでしょ。処女なんて吐いて捨てるほどいるじゃない」
「俺、処女とヤッたことないから」
あぁ、だからレアか。
なんという狭い世界観。
なんか、もう、どうでもいい。
だけどそれを出すのは失礼だから出さない。
「まじかー」
決してあたしは"じゃあヤる?"なんて言わない。
だってなんか誘ってる見たいではしたない。
「おう」
「うん」
うん、沈黙。
いつものことだ。
しばらくして**が口を開いた。
「もらってみてーな」
「へー」
あたしがそういうと**はあたしをみた。舐めるように上から下へ、下から上へ。
そして**は吐き出したタバコの煙りを見ながら口を開いた。
「...お前ってさ、女らしいこと出来ないくせに身体だけは女だよな」
あれ、なんかそれ、褒めてんの?笑
まぁ、いいや。
「ははは、まじかー」
そういって拘束されなくなった身体を持ち上げる。
心なしか左肩が痛い。
しかし、**に腕をつかまれた。
「なに?」
「慰めて」
あれ、それ流れたんじゃないの?笑
そう思いながら見ると、うん、元気だ。
あたしは内心げんなりしながら慰めてあげた。
口は使わなかった。
ちょっとした意地だ。
最初のコメントを投稿しよう!