角砂糖だと思う。

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「我が輩は犬である。名前はまだない。」 「いやお前、くろのすけだから。」 ただ1人の話し相手の言葉に秒速で突っ込みを入れたその青年は気怠そうに寝返りを打った。 昼下がりの都会の片隅。一歩外に出れば世界が回るのが肌で感じられるその部屋は大学入学とともに上京してから入居し、はや三年経っていた。 実家のある茨城から持ってきたイチゴの苗は既にプランターで野生化し、野草に負けない生命力を見せつけている。 「勇気殿、貴殿今日は大学に行かないでよいのか?」 渋みのある声で彼を起こす声が部屋に響く。 決して、戦国系の萌キャラのアラームではない。
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