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物言わぬキマイラやくまさんズは文字の如く何も声を発しない。
(なんて名前かは忘れたが、)星のカービィのボスみたく木が喋るわけないし。
いや、この世界じゃ有り得るか……?
念のためにぐるりと周りの木を見るけれどどの木にも口はついていない。
当たり前か。
なるほど、わからん。
分からないことを長い時間考えるとか俺には向いてない。
「ユウトさーーーーーん!」
また声が聞こえた。
けどこれは誰か分かる。
シルの声だ。
何故か頭上から聞こえる気がするが?
まぁ一応、上を見上げる。
ゴオォォォォォ
……シルさんが背中から炎の翼を生やして下降中ですた。
あんた狼ですよね?
ある程度まで高度を下げるとシルは翼を消してストンと着地する。
「なに今の?」
「魔法ですよ。木が邪魔だったんで飛んできました」
さいですか。
「戦闘音が聞こえたので来てみましたが……、必要なかったみたいですね」
シルは自分の銀髪をくしゃっとする。
おい、顔に‘つまんない’って書いてあるぞ。
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