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「それにしても……」
シルはクルリと回って横たわるキマイラを見る。
「大層なのがいたもんですねぇ」
「まぁ、確かに強かったな」
危うく食われかけた。
「無傷で何を言ってるんですか?」
いや確かにお蔭様で五体満足ですけど。
「キマイラですよ、キマイラ。ユウトさん、本当にでたらめな身体してますね」
褒められてる……のか?
「普通なら歴戦の猛者がフルに装備して、それに大人数で戦う魔物ですよ?」
「……シルでも苦戦するのか?」
「そうですね、靴を履くくらいには難しいです」
楽勝なんですね。わかります。
「……ところでユウトさん」
「なんだ?」
「これ食べていいですか?」
ちょいちょいとシルが指差すのは……、えと、キマイラ?
「これって……これ?」
「はい、私動いたらお腹減っちゃいました。それにキマイラっておいしいんですよ?」
え、えぇ~~~……
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