キマイラ退治で頑張ろう!

17/19
前へ
/162ページ
次へ
「いや、でも依頼がまだ……」 「ご心配なく」 シルは腰にくくってあった袋を外す。 ギルドで支給された袋だ。 中を覗くと毒々しい色の草がギッチリ入っている。 「必要分はもう採取しましたよ」 仕事はやいっス。 「近くに運よく塩の実も生えてたので採ってきました」 袋のヒーラ草の他にも丸い実がたくさん付いた草が入っている。 「塩の実?」 「はい、塩分を実の中に蓄える草です。潰せばそのままお料理に使えるんですよ」 へぇ~。 「それじゃいいですよね?」 「ちょっ、え……?」 俺のことはスルーしてシルはスタスタと歩いていく。 提案じゃなくて決定事項なんですね。 まぁ、昼飯浮くならいいか、な? ―――少女食事中――― 「ふぅ~、おいしかったです」 「…………」 シルは満足そうに息を漏らすが俺は絶句している。 キマイラはめちゃでかかった。 それこそ大型トレーラー並にだ。 しかし、今残ってるのは骨、骨、骨。 あと皮。 肉は欠片も逃さずこの小娘の腹の中。 どうみても体積的におかしい。 ……トリコか貴様。 俺はというとシルによる生キマイラ解体ショーを見て見事に食欲が失せました。 いいダイエットになるよ。 嬉しくないし俺太ってもないけど。 「さて充電も完了しましたし、帰りましょうか!」 お腹いっぱいなのはお前だけだ、とつっこむ気力すらない俺はどうやらだいぶお疲れらしい。 はぁ……。 ――― ――――― ―――――――  
/162ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10580人が本棚に入れています
本棚に追加