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「フンッ」
満足するまで眺めた後、マスターはまた鼻を鳴らして牙を袋に戻す。
鼻を鳴らすのがこの人の癖みたいだ。
「おい小僧」
「え?あ、はい!」
この歳で小僧と呼ばれるとは……
「この素材はどうする?加工するか?」
「いえ全て売却したいんですけど」
「うんむ。ベッキー、手配してやれ」
「は、はい!」
マスターは頷くと受付のお姉さんにそう言った。
ベッキーさんって言うのか。
「それと二人にギルドカードも発行してやれ」
「了解です。ランクはどうしましょう?」
「言うまでもあるまい」
そう言うとマスターは懐から金で装飾された印鑑入れを取り出し、ベッキーさんに投げ渡した。
ギルドカードってなんですか?
「おいおい、……本物……なのか?」
「そんなバカな!」
「でもマスターが確認したんだぞ」
「今の印鑑入れってまさか……」
黙って耳をそばだてていた奴らがマスターが出てきてからはざわつきだした。
あんたらも困惑してっかもしんないけど一番困惑してんのは俺だからなっ!!
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