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「ガッハッハッ、お嬢ちゃんはなかなか手厳しいな。とにかくおめでとうよ」
「あはは……どうも……」
シルとのやり取りを見てアッシュさんはまた豪快に笑う。
でもオプションの唾はやめてください。
唾さえ飛ばさなければ本当にいい人だな。
「私からもおめでとうございます！」
今度はベッキーさんが大きな目を細めてそう微笑んだ。
「うちのギルドからランクＳが出たのはいつぶりでしょうかね？その場に立ち会えて光栄です！」
「光栄だなんて、そんな……」
照れるじゃまいか。
「おいおいベッキー、感動すんのもいいけどランクＳ様に早くカードの説明をしてやったらどうだ？」
おどけたアッシュさんの言葉にベッキーさんはあっと声をだした。
「そうでしたね、うっかりしてました」
そうしていけないとばかりに舌をチロッと出した。
かわゆい。
「ん、んっー」
気を取り直すように咳ばらいを一つ。
ベッキーさんは口を開いた。
「ではギルドカードについてご説明します！ギルドカードの持つ役割は主に二つです。
まず一つ目はランクの証明。ランクＣ以上の依頼を請ける際にはカードの提示が必要になりますから忘れないで下さいね。
二つ目が報酬の引き出し。ランクＤ程度の依頼と違い、ランクが上がると報酬の額が手渡しするには向かないようになります。そこで報酬は一旦ギルドの方で預かる形にしています。引き出す時にギルドカードが証明書になりますので管理には十分気をつけて下さい。
あとギルドカードは全ギルドで共通なのでどこのギルドでも依頼を請けたり、報酬を引き出したりできますからね！」
逆に失くしたら依頼は請けられないわ、報酬は引き出せないわでえらいことになるな……
俺は貰ったばかりのギルドカードをポケットの中に丁寧に入れた。
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