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「その素材はギルド専属の鑑定にまわしておきますね。マスター推薦だからきっとイロを付けてもらえますよ!」
「本当ですか!?」
そりゃありがたい。
なんたって俺達お金ないしな。
さすがに薬草代だけじゃ心許なかった所だ。
「でもこれだけの量だと鑑定するのにだいぶ時間がかかるんじゃ?」
「そうですねぇ、少なくとも夕方くらいまではかかると思いますね」
夕方か……。
もう一度依頼を請ける程の時間でもないか。
キマイラの素材があれば金銭面はなんとかなるだろうし。
「じゃあまた頃合いを見計らって来ますね」
「わかりました。ではまた」
「いろいろどうも」
「いえいえ」
さあて、それまで何するか。
街中をブラブラ探検でもするかな?
何をするにせよ、とりあえずここから出よう。
「シル、行こうか」
「はい」
シルに声を掛けてベッキーさんの居るカウンターに背を向ける。
俺は出口に向けて一歩を踏み出そうとした。
……したんだが。えと、壁ができてる。
肉壁が。
なにかと言うとさっきまで酒場にいたギルド員と騎士の方々がぐるりと俺達を囲っているのだ。
全っ然気付かなかった。
忍者かよ……
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