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「着いたぞ」
歩きはじめてどれくらい経ったろうか、周りを囲む騎士団が足を止めた。
俯いていた顔を上げると目の前には白く、高い壁が立ちはだかる。
街の外壁よりもより一層頑丈そうな壁で、それにはこれまた大きな木製の扉が備え付けられている。
今は開いているけど閉まったら簡単には開かないだろうな。
そんな扉の前には剣を帯びた門番が何人もいる。
「暫しここで待て」
一言そう残すと騎士の一人が隊列から離れて門番に近づく。
そこで簡単なやり取りをすると門番はペンを取り出し、後から出した紙にサラサラと何か書く。
書き終わるとペンを仕舞い、紙を半分に折った。
その後も紙を折る、折る、折る。
そうして出来上がったのは、……紙飛行機?
紙飛行機を完成させると門番はそれを投げた。
手元を離れた紙飛行機は門をくぐってお城の方へ向かう。
それを見届けると騎士さんは戻ってきた。
「よし、門番に取り次いで貰った。いくぞ」
「取り次ぎって今の紙飛行機ですか?」
「カミヒコーキ?なんだそれは。今のは『メッセージシート』だ」
この世界に飛行機って概念はないんだな。
てか紙飛行機で文書出すってなんかの映画で見た気がするな。
え~と、は、はり、ハリーポッ……
だめだ思い出せん。
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