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「ほら、いらしたぞ」
やることもなくボケッとしてると隣に立っていた騎士さんがそう俺に声をかけた。
見れば城の中から女性が出てきたところだった。
(わーお)
出てきたのは蒼い髪をピンで留めた美人さん。
銀縁の眼鏡をかけたその姿はまさに『出来る』女。
何かキャリアウーマンみたいなオーラがある。
俺達と歩いてきた騎士達とは違い、彼女も鎧はつけているものの見るからに軽そうな装備だ。
細身の剣(レイピアか?)を腰に提げているが、全体的に普段装着していても気にならないレベルだろうな。
そんな彼女はマントをはためかせながら俺達に近づく。
そして俺達から2、3歩離れた所で立ち止まるとあの凛とした声で先頭の騎士に話しかけた。
「お勤めご苦労様です」
「労いのお言葉、痛み入ります」
「では早速、……あら?貴方達キマイラ討伐の隊では?」
「ハッ、そのことでもお耳に入れたいことが少々……」
そう言って口を彼女の耳元へ持って行き、ボソボソと報告をした。
俺昔からヒソヒソ話されると悪口言われてないかちょっと心配になる。
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