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「……彼ら……たっ…………」
「東の…………キマイ……」
「…………ドマス…………ンクS……」
報告に静かに耳を傾けていた副隊長さんだったが、話が進むと切れ長の目を丸くして俺達の方を見た。
声が小さいせいでよく聞き取れなかった。
でもシル程耳がよくなくとも何を話してるかはなんとなく分かる。
そのあと報告を終えたのか、騎士さんは後ろに退き、副隊長さんも副隊長さんで丸くしていた目をスッと元に戻す。
切り替え早いですね。
「わざわざご足労をわずらわせて申し訳ありません。私はラティステリア王国騎士団三番隊副隊長リサ=ソーバーです」
踵を揃えて副隊長さん、もといリサ副隊長はお辞儀する。
「今回王城へ来ていただいたのは端的にいえば事情聴取のためです。というのも、当事者の立場から昨日の盗賊団の件について少々お話を伺いたいのです」
盗賊団?
…………あぁ、はいはい。
チャントオボエテマシタヨ?
「お時間頂けるでしょうか?」
「はい、わかりました」
ていうか、ここまで来といて帰れる訳ないでしょ。日本人的に考えて。
まぁ『少々』って言ってるし、そんなに時間はかからんだろう。
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