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「コニス隊長、国王様への謁見の話は聞いていませんが……」
「さっき私宛に国王様から書簡が届いたのよ。
『確認』が終わり次第連れてきてくれってね」
話が伝わっていなかった様子のリサ副隊長にコニス隊長は金の縁取りの着いた紙を見せる。
どっから紙出したんだ?
リサ副隊長も受け取った紙に目を通すと、なるほどと呟く。
いやだから……
「話が読めないんですが……」
思わず本音が口をついて出てしまった。
「だから!国王様に会って、お話を聞くの!」
コニス隊長が俺に反応するが、まったく答えになっていません。はい。
そんな彼女を見兼ねてか、代わりにリサ副隊長が説明を始めた。
「ご存知だとは思いますが、我々のラティステリア王国は隣国、つまりは帝国によって侵略攻撃を受けています」
すいません。初めて知りました。
「今の所は騎士団長を初めとする精鋭の騎士、そして優秀なギルドの構成員を配備することによって撃退には成功しています。しかし、帝国の猛攻は留まることを知らず、攻め入られる度に確実に被害がでています」
リサ副隊長は閉じた拳をギュッと握る。
ずいぶん苦々しい思いをしているのが表情にも滲み出ている。
「しかも帝国の標的は我々の国だけでなく、次々と占領を続けており戦力を拡大しています」
「そういう訳で、今は優秀な戦力が喉から手が出るくらい欲しいってわけよ!」
コニス隊長がおいしいトコだけ持ってった。
話を纏めると、戦うための新たな力必要で、俺らに白羽の矢がたったと。
なるほど面倒くさい。
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