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「いいですね、軍への勧誘があった場合は必ず断って下さいよ?」
「わかってるって……」
今歩いているのはお城の廊下。
俺は部屋を出てから何度となく同じ台詞をシルから聞かされている。
もちろん、声のトーンは前を歩くコニス隊長に聞こえないように下げてるが。
王様に直接呼ばれる理由は分からないが、戦力への加入を要求されるだろうというのはさっき聞いた。
シルは俺が一国に属して身動きがとりにくくなるのを危惧してるらしい。
さすがに俺でもこの世界へ来た目的を忘れたりはしてない。……嘘じゃないぞ?
俺の使命はこの世界を危機にさらす何かから世界を守ること、だったはず。
いやぁ、改めて考えると本当にざっくばらんと言うかなんと言うか。
全く具体的なことは分からないな……
だからこそすぐ動けるような身軽な状態でなきゃいけないと、そうゆうことらしい。
「それにユウトさんが人間の戦争なんかに参入しようものならこの世界の勢力図が一気に塗り替えられますよ?」
「はは、そんなわけ……」
つ【チート級アイテム】
「……あるな」
「はい、あります」
あっちゃうんだよな。これ。
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