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コニス隊長に連れられて歩き続けること体感で十分くらい、俺達は階段の前にたどり着いた。
5、6段程の階段だが一段一段の幅がやけに広く造られ、今までより一層高級そうなカーペットが階段を通って階上の扉の前にまでのびている。
扉も扉ででかい……
あの向こうが、王の間とか謁見の間とかいうヤツなんだろうな。
雰囲気的に。
扉の左右と階段の前に二人ずつ、計四人の騎士もいる。
石像みたいに動かないからなんか怖い。
「お勤めご苦労様!」
はい、コニス隊長はマイペースです。
あ、石像紅くなった。
階段を上がると部屋をでてからこちらも見ずにズンズン進んでいたコニス隊長がこちらにクルリと振り返る。
「さ、ここが謁見の間よ」
やっぱこの向こうは王様ゾーンなんですね。
やばい、緊張してきた。
「くれぐれも無礼のないようにね。何かあったら不敬罪で本当に首が飛んじゃうから」
あれ?汗じゃない変な汁でてきた。
「あのコニス隊長、心の準備ができるまでちょっと待っ……」
「陛下、第3騎士隊隊長コニス=ジェントラルです。ご報告した青年らをお連れしました」
俺の頼みは空を切り、コニス隊長は声を張る。
この人の耳にはちゃんと穴が空いているのだろうか。実に気になる。
うなだれてると、無情にも扉は向こうから開かれた。
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