王様謁見で頑張ろう!

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「おお!待ちわびたぞ!!」 扉が開くと中からやけにでかい声で出迎えられた。 部屋の壁は、今まで見てきた部屋や外壁と同じように白一色。馬くらい余裕で通れそうな大きさの窓からは、床にしかれた赤絨毯に暖かな日の光が当てられている。 加えてこの部屋、バスケとテニスとドッジボールを一緒にやってもまだまだ余裕がありそうなくらい広い。 いや、やらんけど。 扉から正面に向かって幅の広い赤絨毯が伸びていて、その左右に一定の間隔を置いて槍を持った騎士が並んでいる。 絨毯の先には床が少し高くなっている所があり、その上に豪勢な椅子が2つある。所謂玉座だ。 1つには上品なドレスを着たきれいな女性が座っている。そしてもう片方には法衣とでも言うのだろうか、ゆったりとしたを着たおっさんが玉座から軽く腰を浮かしている。 さっきの大声だしたのはこのおっさん、もとい王様だろう。 そうすると女性の方は王妃様だな。 控えにはじいさま達がならんでる。見るからに頭が固そうな。 立ち並ぶ騎士の間をコニス隊長に連れられて歩く。 そしてコニス隊長は段差まで数mといった所で立ち止まり、その場でひざまづいた。 コニス隊長すごい騎士っぽい。 「陛下、彼等がご報告申し上げた青年、少女でございます」 「ご苦労。楽にしてくれ」 「ハッ!」 王様の言葉を受けると、立ち上がって横に掃けた。 その結果、真正面に王様がいる構図になった。 心の準備なんてできてないんだけどな……
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