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正面に立って見ると、この王様はとても普段デスクワークをしている人には見えなかった。
ゆったりとした服を着ているのに、がっしりとした体格がよく判る程だ。
更に袖から少し覗く腕も細くはない。
王様というよりはむしろ木こりのほうがピッタリくる風貌だ。
俺、王様って毎日書類書いたり椅子に座ってるインドアなイメージあったからちょっとびっくり。
「貴様ら!陛下にひざまづかぬか!!」
のんびりと王様を観察してたら、頭固そうなじいさまAが横から怒鳴ってきた。
あ、やべぇ。
慌ててひざまづこうとすると、王様がそれを手で制す。
「そのままで結構だ。気にすることはない」
「しかし陛下……」
「大臣」
「……はい、失礼しました」
王様が目を少し鋭くすると、大臣と呼ばれたじいさまは渋々といった感じで口を閉ざす。
おお、威厳たっぷり。
さすが王様。
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