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気がつけば俺の緊張はだいぶほぐれていた。
王様のおかげかね。
そんなことを思っていると、王様がこちらを向き直した。
「まずは自己紹介からか。私はこのラティステリア王国の王、オーバン=ラティステリアだ。隣の美人は我が妻だ」
「ふふ、ラーミアといいます。宜しくね?」
この王様サラっと惚気やがった。
ちくせう。
「さて、ユウト君とシルちゃんでよかったかな?君達の活躍は魔水晶で見させて貰ったよ。今回の件、心から感謝する」
「若いのにお強いのねぇ」
しきりに頷く王様と、手を口にあててクスクス笑ってる王妃様。
改めて感謝されるとなんかこう、背中がムズムズする。
「いえいえ、たまたまその場に居合わせて、たまたま解決するための力を持っていただけです」
「それがすごいことではないか。盗賊団を倒す実力を持つ者はいたとしても、見返りを求めずに危険を冒す者はそうはいないだろうよ」
「見返りなら頂きましたよ?パンと干し肉を2人分。おいしく頂きました」
…………………。
俺の発言で静まりかえる部屋。
あれ、なんか変なこと言っちゃったか?!
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