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どうしよう。
自分の身の上なんて話せないぞ?
「ふふっ」
俺が口をつぐんでいると、王妃様が小さく笑った。
「オーバン、そんなに強張ってたらこの子達も話し辛いわよ?」
「む?」
王妃様の言葉に王様は眉をあげた
「それにきっとこの子達にはこの子達の事情というものがあるのです。必要以上の詮索は美しくありませんわよ?」
「……それもそうか」
王様はやや前のめりになっていた体を直した。
おおぅ、王妃様が輝いて見える。
「すまなかったな、ユウト君にシルちゃん」
「お気になさらず」
な、なんとかなった……
「うむぅ、君達を騎士として抱えられないのは残念だが依頼はギルドを通して行おう。君達指名でな」
あれ、なんか聞き覚えのないフレーズが聞こえたような。
「……指名?」
「ん、なんだ知らないのか?」
知りません。契約書に書いてなかったし。
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