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さっきまではファンタジーな世界に行けることにテンションが上がっていたが、いざほっぽり出されるとなると何をしたらいいのか分からない。
横には相棒としてついてきたでかい狼(炎狼だっけ?)がいるだけ。
いまさらだが何故に狼なんですか?
確かに俺は犬派だ。
だがそれは癒しの対象としての話であって、こうゆう時に頂いても、なぁ……
もふもふして癒されてください、ってか。
おぉ、神よ。
狼なだけに、ってやかましいわ。
「……とりあえず自己紹介からですかね?」
うんそうだね。人間としてまず会ったら自己紹介だよね…………あれ?
尤もなことを言われてウンウンと頷いていたが、一体どこから声がしたのだろう。
周りを見渡すが人はいない。
見通しがいいから隠れるのは無理。
この草原にいるのは俺とこの狼だ……け…………
ま・さ・か
「?どうしたんですキョロキョロして」
先程と同じ声が聞こえた。
狼の口から。
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