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「すまん、びっくりしてた……」
「まったく。こんなんで驚いてたらやっていけませんよ、この世界?」
見た目中高生くらいの女の子に叱られてしまった。
変身できる狼も普通は驚くと思うんだがな。
「それより自己紹介しましょうよ、自己紹介」
「あぁ、そうだな」
俺の喋る狼へのリアクションで後回しになってたんだった。
「まず私からですね。今は人型ですが、私は炎狼といいます。さっきもちらっと言いましたけど神獣です。
創造神、あの指パッチンの神様のことですが、それに頼まれてあなたのサポートをしにきました。」
指パッチンの神様て。
「俺は山本悠斗。この世界救うために飛ばされた元一般人だ。って俺言うこと少ねぇな……」
「じゃあユウトさんでいいですかね?長い旅になりそうですが、よろしくお願いします」
ニコッと笑い、右手を差し出してきた。
握手を求めてるみたいだ。
こちらも握り返すと手に温かさを感じた。本物の人間と全く変わらない温かさだった。
「こちらこそよろしく」
こうして異世界の初夜、俺に旅の相棒が出来た。
「ところで俺はなんて呼べばいいんだ?炎狼?」
「それユウトさんを人間って呼ぶようなものですよ。炎狼っていうのは種族としての名前なので何か名前をつけてもらえませんか?」
「えっ、いいの?ううん、髪が綺麗な銀色だからシルバーからとってシルでどう?」
「安直ですね」
「超ほっとけ。なら変えるか?」
「いえ、せっかくなのでそれでいいです。改めてよろしくお願いしますね?」
「おう」
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