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とある街の、外れと言われればそんな気もする一角。
最寄り駅まで自転車で15分という何とも微妙な位置に建つちょっとボロめの3階建てアパート。
そんなアパートの一室で、畳香る床に携帯を片手に座っている男がいた。まぁ俺な訳だが。
俺の名前は山本 悠斗(ヤマモト ユウト)。22歳。
職業は……なし……
……あれだ、就職暗黒期という名のブラックホールに頭から飲み込まれてしまった訳なのだ。
あーうー。
今は3年前に交通事故でポックリ逝っちまった両親が遺した貯金だの保険金だのを使って節約しながら生活してる。
就職浪人生と言えばやや聞こえはマシだが、ぶっちゃけニート。
すねかじりでサーセン。
幽霊がいたとしても脛はないけどな。
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