初戦闘で頑張ろう!

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神から貰った能力。それを使う時が遂にきた。 開いた左の手をそのまま前に突き出す。 初めて使うはずなのに、今まで何百回もその動作を繰り返し行ってきたかのように身体がやり方を覚えてる。 実に奇妙な感覚だ。 そして頭の中には神話の世界の神々が手にしてきた武器、防具、アイテムの知識がある。 時に、遥かなる空を切り裂き 時に、偉大なる海を割り 時に、壮大なる大地を砕き 時に、世界に豊饒をもたらし 時に、罪深き者を罰し 時に、英雄に勝利を約束し 時に、醜悪な欲望を叶え 時に、人々に希望を与える。 神話の武器は、そんな中学生が机に封印した黒歴史ノートに書いていそうなことを地で行く奴らだ。 間違っても使い方を間違っちゃいけない。 てか間違えたらヤバい。 俺はそんな中から今必要なひとつを見付けだし、強くそれをイメージする。 すると俺に刻まれた魔法陣が熱を帯び始めた。 同時に左手の前に光が集まりだし、棒状に姿を変える。それは俺が思い描いた武器を象っていた。 (よし、うまくいった) 俺が形になったそれを握ると全体を覆っていた光は弾け、内包していたものが現れた。
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