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「またかよぉ~……」
バックライトが消えて鏡のようになった携帯には、俺のがっかり顔が映る。
ちょっと癖のある黒髪と、同じく黒の目を持った典型的日本人顔だ。
自分の顔なぞ見つめてたって意味ない。閉じた携帯を敷きっぱなしの布団に放り投げ、仰向けに寝転がる。
「今回は結構好感触だったのになぁ」
何回目になるか分からない不採用。
いい加減いやになる。
ごみ箱からはみ出す封筒がいくつもあるが、あれは全部不採用通知だ。
今回みたいに電話での通達もあるから合計で……、数えたくない。
また探しに行かなきゃならないが、さすがに今はやる気が起きない。
布団まで動くのも億劫になって、俺はそのままふて寝気味に目を閉じた。
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