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火に焼かれる民家と、濛々とあがる黒煙。
松明や武器を手に、黄色い歯を剥き出して笑っている男たちは今回の儲けについて話しながらニヤつく。
(気持ち悪いなぁ……)
その顔から感じる不快感は隠せない。
それから少し経ち、火が木造の家を一つまた一つと飲み込もうとしている時、木で組まれた村の入口に黒髪の青年と銀髪の少女が現れた。
彼らが報告にあった2人組のようだ。
青年は燃える民家を一瞥すると左手を突きだし、どこからともなく独特な形状をもつ青い槍をとりだした。
それは先端が三つに別れており、長さは彼の背を超えていた。
呼び出されたところを見るとあれは魔武器かな?
青年が槍を握ると、その石突で地面うつ。
瞬間、村のあちこちで水が吹き出し、それが豪雨のように降り注ぎ、火を全て消した。
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