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仲間をやられた盗賊たちには再び動揺の波が広がる。
線の細い青年と少女に武器を持った大柄な男が素手で3人も倒されたんだ。そりゃ驚く。
それを好機と見たか、その隙に青年は三つ又の槍を振るう。すると何十、いや百は超えるであろう水球が矢のように飛んだ。
水の矢は容赦なく盗賊たちを襲い、リーダー格の大男を除いて地に伏させた。
水球を放つ時に魔法陣は構築されなかったからあれはあの魔武器の能力か。
一瞬で村という広範囲において同時に水を操り、さらには的確に盗賊達に攻撃したあの槍の能力。
それは一般的な魔武器と比べかなり高い水準にある。
「彼らなら『北の狼』を捕らえたというのも頷けますね」
「えぇ」
納得するように言葉を紡ぐリサに私も素直に返す。
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