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結果、予想通り大丈夫だった。
大丈夫だったんだけど――。
「一撃って……」
様子見の攻撃を数に入れても二発だ。
青年が槍を翳すと、水が集まって塊となり、長細くその姿を変えた。
それはお伽話の世界でしか存在しないはずの『龍』であった。
龍はその身をくねらせて飛び、身体に光を反射させた。
その姿は恐ろしいながらも美しい。
水の龍は、川の激流のようにゴーレムを飲み込み、ただの泥の塊へと変貌させた。
魔法陣がないのでまたもや魔武器の能力か。
そんな高い能力の魔武器、滅多にあるものではない。
さっきは一般的な魔武器よりかなり強力なものと考えていたが、それとは更に一線を画するものだ。
特級の魔武器として国が管理していてもなんら不思議ではない。
そんな化け物のような武器を軽々と扱う青年もまた、化け物のような強さを秘めているのだろう。
身の丈に合わない魔武器は身を滅ぼす結果を招くのだ。
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