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龍が散って消えると、リーダー格の男はあまりの出来事に気を失った。
頼みの綱で、切り札だったゴーレムがああなれば卒倒もするものだ。
プツンという音をたてて魔水晶の映像はそこで切れた。
カーテンを開けると眩しい光が差し込み部屋を元の明るさに戻す。
「騎士団長並の身体強化、国宝級の魔武器に、賢者、下手したら大賢者に匹敵する魔法か……」
「あれだけの力を持つ魔術師を野放しにしておく訳にはいきません。帝国に取り入れられたりしたらかなり面倒なことになります」
リサの言う通りだ。
あれ程の能力があって今まで知られていなかったことも疑問だが、今の問題点は彼らを見つけることだ。
「調査団の報告によれば彼らはこの『ターリス』へ向かったそうです。
馬などを使用していなかったため到着にはだいぶかかります。城下街の兵に連絡すれば見つけることも容易でしょう。ご指示を」
リサは眼鏡をクイッと直し、私の指示を待つ。
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