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「……解りました。私に止める権限はありませんしね」
お姉さんは俺から依頼書を受け取ると大きなハンコを押した。
「はい、受理しました。こちらがヒーラ草の資料となります」
そう言って渡された紙には、ヒーラ草の絵と生えていやすいポイントが書かれていた。
深い紫の斑目模様の葉にツンとした臭いって……
コレ本当に怪我に効くのか?
薬草というよりまんま毒草だぞ。
しかし臭いがあるのはありがたい。
何てったって俺の相棒はイヌ科だ。
警察犬みたいに捜せるんじゃないかな?
お姉さんはさらにカウンターの下から白い袋を二つ取り出した。
「これが納品用の魔法袋になります。入れる物の大きさによってサイズが自動で変わるようになってます。」
ほいほい。
「……支給品は以上です。では、くれぐれも気をつけて下さいね!」
「はーい」
軽いノリで返されて不満げなお姉さんに見送られ、俺達の初仕事は始まった。
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