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バタンッ
悠斗らが出発してしばらく後、ギルドの扉が乱暴に開けられた。
それ自体は酔っ払いが多いギルドでは珍しい事ではない。
しかし今回扉を開けたのは酔っ払いではなかった。
扉を開けたのは全身が血にまみれた男だったのだ。
男は息も絶え絶えにしながら使命感を帯びた顔でギルドに踏み込む。
「オ、オゼットじゃねぇか!どうしちまったんだ!その傷……」
オゼットと呼ばれた男の知り合いだろうか、先程まで酒を呑んで朱くなっていた顔を真っ青にして中年の男が彼に近づく。
「は、早く医者を呼ばないと!」
「そんなことは……ゼェ……後回しだ……。
調査の報告をしなきゃなんねぇ……。
ヤバいことなってんだ」
「オゼットさん!?どうしたんですか!」
酒場の騒ぎを聞きつけてギルドの受付嬢が一人駆け寄ってきた。
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