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あの後すぐに街を出た。
門番の自称・お兄さんは「もう出発かよ」と半ば呆れ気味だったが……。
まぁ、着いて1時間もしない内にまた門をくぐったわけだから仕方ない。
気にしない方向でいこう。
と、そんなことはさておくとしよう。
ここは王都から東に向かった所にある『東の森』。
そのまんますぎるネーミングにセンスを疑うが、貰った資料によるとこの森にヒーラ草、つまり今回のターゲットが生えてるらしい。
見渡す限りの木、木、木。
鬱蒼としていてハイキングには向いてなさげだ。
はぁ、ちゃっちゃと終わらせてあったかい飯が食いたい。
昼メシは横にいる大食漢に食われないようにしないと。
それにしても、あんなに食べてたら成長期でもブクブクと太りそうなものなんだけど……
ドスッ
「――っ痛ェ!?」
「なんか今失礼なことを考えてた気がしまして」
シルの肘打ちが俺の腹を打ち抜いた。
……なんて勘がいい奴。超直感でももってんのか?
てかハンマーすら効かないチートな俺の身体にダメージを与えるとは……
見た目ちっさくてもやっぱすげぇなコイツ。
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