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真っ赤な目に勝ちを確信しているキマイラ。
実際、余程機敏な鳥でもない限りこの攻撃はかわせないだろう。
BAD END必至な状況だとは言っても素直に餌になってやる義理なんぞない。
「人間嘗めんな!」
俺は空中で無理矢理体を捻らせ、大口開けてるキマイラの鼻っ面になんとか拳をお見舞いする。
「キャインッ!?」
不意にカウンターを喰らったキマイラは見た目に反した可愛らしい悲鳴を上げるとバランスを崩し落下する。
キマイラの巨体が地面に衝突するとズシンと地響きが起こった。
俺もそれに続くように重力に従って着地する。
……今のが効いてくれてるといいんだけどな。
期待を他所にキマイラはスクと起き上がると身震いし、身体に付着した焦土を落とす。
チートパワーでも踏ん張りがきかない空中での攻撃じゃダメージは無理だったか。
グルルルル……グルルルル……
空中から叩き落とされたキマイラの眉間には威嚇の時よりも深い皺が刻まれる。
あ~、完璧に怒ってますね。コレ。
いらんオプション付いちまったよチクショウ……
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