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俺は目標を見据え、グングニルを強く握る。
そしてそのまま肩まで上げ、投擲のポーズをとる。
さあ悠斗選手、本日槍投げ2投目です。
俺は腕に更に力を込め、槍を押し出すように……投げる!
俺の手から放たれたグングニルは俺のチートじみた力を推進力にキマイラへ一直線に飛ぶ。
グングニルは耳障りな風切り音を響かせる程のスピードが出ているが、臨戦体勢だったキマイラはそれを上に跳んで避ける。
……あれを避けるとか普通にすごいな。
的を外したグングニルはキマイラの頭があった所を通過する。
キマイラは投擲の体勢のまま固まる隙だらけな俺にそのまま向かってくる。
山羊の口には炎が蓄えられ、ライオンは鋭い牙を奮う。
キマイラの目には俺が丸焦げになるか引き裂かれるだけの未来しか映っていないだろう。
だが本当の未来はどちらでもない。
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